柴犬を飼ったことのある人なら誰でも一度は「柴犬 かわいい なぜ」で検索したことがあるのではないでしょうか?
しかし、ほどんどのサイトが特に学術的根拠に基づいた説明を出来ずにいます。
また柴飼いなら誰でも一度は、床に這いつくばって愛犬の目線の高さになり、
「○○ちゃんはどうしてそんなに可愛いんでちゅか~?」と問いかけた経験があるかもしれませんが、当然愛犬は何も答えてくれません。
せいぜいあくびをするか「ふぅ~」とため息をつくくらいです。
実は「柴犬 かわいい なぜ」と検索する人は、理由や学術的根拠が知りたいわけではありません。
「どうして○○ちゃんは……」と聞く人も、愛犬に答えを求めているわけではありません。
ただ「柴犬は可愛すぎて萌え死ぬ!」と思い、同じように感じている人の書いた文章を読み、共感し、要するに萌えたいのです。
日本では飼育頭数は6位と低めですが、人気では不動のトップを誇る柴犬。
我が家の柴犬のエピソードも交えながら、他の犬種にはない魅力について語っていきたいと思います。
柴犬がかわいいのはなぜ?
ピンと立った耳、くるんと巻いた尾、精悍な立ち姿。
柴犬は一言で言えば、外見がとても可愛いです!
日本犬保存会の掲げる「敢為 良性 素朴」の「素朴」にある通り、一見飾らない角刈り風ですが、顔まわりとお尻だけは丸くなるように毛が上手いこと生え揃っています。
赤柴さんを見たらおわかりになるかと思いますが、お日様の当たる「表」の部分は見事な茶色のグラデーションで、「裏」は純白。
巻き上げた尻尾ごと、お尻も白く輝いています。
柴犬はとても抜け毛が多いと言われますが、換毛期だけではなく定期的に毛を抜いているため、あの美しさが保たれているのですね。
性格も可愛いです。
はっきり言って柴犬は従順ではありません。
性格がクソの場合が多いです。
だけどそのクソのところがまた可愛いのです。
社交的ではなく、他所の犬に吠えることもあります。
他人を外見で判断します。
損得勘定が強いため、おやつもなしに「お手」と言っても「はあ? なんで?」といった顔をすることもあるかもしれません。
ペットショップでは店員さんばかり目で追って、あなたのことを見てくれなかったかもしれません。
だけど柴犬は一度飼ってもらった人のことを忘れません。
なつけば誰よりも甘え、誰よりも愛情を向けてくれます。
元々がオオカミに近い犬なので、尻尾の振り方も下手ですし、甘え方がどこかぎこちないところもあるかもしれませんが、そこも柴犬の魅力です。
我が家の柴犬のエピソード
我が家の愛犬、柴犬の「ねね」はあまり社交的な性格ではありません。
ドッグランでも他所の犬と喧嘩してしまいます。
だけど人間のことはとても好きで、優しそうな人を見かけると
「この人、ねねちゃんのことが好きそうな人!」と寄っていきます。
だけど、ねねは誰にでもお腹を見せるようなタイプの犬ではありません。
人によってはねねがなつくには時間がかかることもあります。
だけどその分、一度なついたらとことん甘えます。
外で好きな人を見かけたら、全身で「好き」を表現しながら走ってやって来ます。
ねねはめったに見かけない隣の家のIさんになついています。
また、ミニチュアシュナウザーを飼っているHさんにもなついています。
この前はIさんとHさん、ふたりが同時にねねの前に現れました。
ねねは「ど、どっちに甘えれば……」と迷ったあげく、まずはレア物のIさんの方へ行き、それからHさんに甘えました。
見ているこっちが微笑ましく感じるような光景でしたが、やっぱり柴犬はかわいいと確信した瞬間です。
黒柴もかわいい!
柴犬と言えば茶色のイメージが強く、実際柴犬の八割が赤柴だというデータがあります。
しかし一方で、最近黒柴の人気が増えてきているという話も聞きます。
黒柴の魅力について語っていきたいと思います。
赤柴が白と茶色の二色刷なのに比べて、黒柴は黒、白、茶色の三色です。
しかもその三色は三毛猫のぶち模様のようにランダムに配置されているわけではなく、眉毛は茶色! 靴下は白! と、誰に教えられたわけでもないのに決まっています。
よく手入れのされた黒柴の、光沢のある毛並みは本当に美しいです。
柴犬の子犬もかわいい!
ペットショップで柴犬の子犬を見かけたとき、思わず立ち止まってしまう人は多いのではないでしょうか?
ティディベアと見紛うような手足の太くて短い、マズルもほとんど出ていないむくむく子犬。
柴犬の子犬は本当にかわいいです。
ややつり目気味のアーモンド型の目がチャームポイントの柴犬ですが、子犬のときは瞼が毛に埋もれているため、垂れ目に見えます。
赤柴の場合、体毛の色も成犬のような鮮やかなオレンジ色ではなく、薄らぼけた茶色です。
黒ひげを生やしたかのような、俗に言われる「泥棒マズル」も多いです。
そしてずんぐりむっくりした体躯に、まだまだおぼつかない動作。
子犬時代はあっという間に過ぎていきます。
泥棒マズルも一時のものですから、「早く大きくなって色白な成犬になってね」と言うのではなく、愛でてあげてください。
柴犬が可愛くないと感じているあなたへ
柴犬は独立心の強い犬と言われており、自分の頭で物事を判断し、考えようとするところがあります。
また、決して従順と言える犬種でもなく、納得のいかない命令には従わない子もいます。
人によってはそれが「可愛くない」「生意気」「こんなはずじゃなかった」と映る場合もあるでしょう。
柴犬は可愛い外見とは裏腹に、守り癖がある、反抗期がすごい、我が強い、気が強い、運動量がいる、トイレトレーニングが大変、しつけが大変、抜け毛が多いなど、飼育が簡単な犬種ではありません。
ペットショップでも「初心者にはおすすめできない」と言われるくらいです。
詳しくは下の記事をご覧になってみて下さい。↓
私も母も犬を飼うのは初めての状態でねねを迎えましたが、楽なことばかりではありませんでした。
反抗期にはたくさん噛まれましたし、物を守る癖がついたときにはどうしようと思いました。
しかし某柴犬雑誌が言っていました。
「駄目犬だっていいじゃない。馬鹿犬だっていいじゃない。愛があればいいじゃない」
可愛い。
それだけを理由にねねを飼ってきました。
大変な散歩もしつけも排泄も、愛(と必要最低限の体力)さえあればできるのです。
ですので柴犬の難しい性格も含めて「可愛い」と思い、「難しくても飼ってみたい」「そうこなくっちゃ!」と思えるような人にのみ、柴犬を飼うことをすすめます。
ぬいぐるみや人形のように可愛がりたい人、なんでも素直に言うことを聞くという意味での「忠犬」を飼いたい人にはおすすめできません。
最後に
柴犬はとても可愛いです。
だけど思った通りにいかないことも多い犬種であることも事実です。
見るからに触り心地の良さそうなふかふかの毛ですが、しつこく触られることはあまり好きではありません。
私もうっかりねねの逆鱗に触れ、噛まれたこともあります。
だけど私を噛んでしまったときのねねは「しまった!」という顔をするのです。
人がイメージする忠犬ではないのかもしれませんし、従順でもお利口でもないのかもしれません。
気難しいし、悪知恵が働きますし、頭の中は損得の計算でいっぱいです。
ですがねねは、人のことをよく見ていると思います。
心が通じる、意志がある、意志を持って私たちのことを好きでいてくれるのだと、いつも思うのです。
難しいところも含めて、それで柴犬の魅力であり、可愛さです。
人間臭くて、面白い。
そして可愛い。
それが柴犬です。
以上、いぬさいとでした。