犬の多頭飼いは、飼い主にとっても犬にとっても様々なメリットがありますが、決して良い事ばかりとは言えません。
特にオス同士の多頭飼いに関しては危険な要素も多いので、注意するべきポイントもいくつか存在します。
オス同士の多頭飼いは危険?
オス同士の多頭飼いが危険だと言われている理由は、犬が本能的に縄張り争いを引き起こしてしまうからだと言われています。
オスの犬はたとえ同じ飼育環境に置かれている身近なオス犬に対しても、本能的に敵とみなすことも多く、自分が安心できる空間や誰にも干渉されないスペースを取り合う傾向があるのです。
他にも犬が飼い主に依存してしまっていればそれだけオス犬同士でやきもちを焼き、争いに発展するという問題もありますね。
オスとメスの組み合わせやメス同士の多頭飼いよりもオス犬同士の多頭飼いは喧嘩が多いと言われていますね。
多頭飼いをする際に一番苦労する組み合わせなはずなのですが、意外とオス同士で犬を飼っている飼い主の方は多く、実際に困っているという話をよく聞きます。
オス犬の多頭飼いをする場合は、普通のしつけ方法や飼育環境では通用しない部分も多いので、飼い主の方は適切な多頭飼いのしつけができるようにそれなりの知識を付ける必要があります。
オス同士の多頭飼いの問題点
具体的にオス同士の多頭飼いはどのような問題点があるのかを解説していきます。
犬はもともと群れで暮らしていた歴史を持っているので、リーダー的な存在のオス犬に従う性質を持っています。
しかし「多頭飼いをしている家庭」という限られた空間の中で雄犬同士が反発しあってしまうと、
「どちらがリーダーとしてふさわしいのか」
「どちらの方が力が強いのか」
というのを測り合う為、喧嘩が絶えなくなってしまうのです。
仮に見ず知らずの犬に対しては友好的な犬だったとしても、同じ屋根の下で暮らしていると ライバル意識が暴走してしまう事も多いです。
場合によってはもう一匹のオス犬に対して本気噛みをしてしまうなどの事故も起こる可能性があります。
去勢は必要?
雄犬同士を多頭飼いする場合去勢は必要なのかどうかについてですが、これは意見が分かれる所でもあります。
一般的に犬の去勢は、雄犬と雌犬を多頭飼いする際にどちらかの犬が発情し交尾に発展しないように抑制する目的ですることが多いですよね。
しかしオス犬が去勢をしないと、例え雌犬がいない環境で暮らしていたとしても攻撃性が増したり雄犬同士の喧嘩が多くなってしまったりするので去勢をするという飼い主の方も多いです。
個人的には、たとえメス犬がいなかったとしてもオス犬が2頭以上いる環境で多頭飼いをする場合、すべての犬に去勢をした方が良いと思います。
少々手間は掛かりますが、勢をしておく事で、性ホルモンが原因で起こる犬の問題行動が減るだけでなく病気も防げるので、去勢をしないで後悔をする事があっても去勢をして後悔する方が少ないと思います 。
喧嘩が起きた時の対処法
たとえ去勢済みの雄犬同士の多頭飼いだったとしても100%安定した状態で多頭飼い出来るとは限りません。
やはりオス同士の多頭飼いをしている以上、喧嘩は自然と起きてしまうものだと思います。
犬の多頭飼いで喧嘩が起きた時は、対処としてすぐに喧嘩の仲裁に入りがちですが、意外と放置して様子を見守るというのも大事な事だと言われています。
さすがに怪我をしてしまうくらいの喧嘩は、飼い主の方は止めざるを得ませんが、遊びの延長線でじゃれている程度の喧嘩であればあえて放置し、どちらの力が強いのかはっきりさせてあげるのも重要な事です。
ほとんどの人は多頭飼いをすると全ての犬を平等に扱ってしまいがちですが、犬は力の優劣がはっきりしているほど喧嘩が少ないと考えられています。
力の弱いオス犬は力の強いオス犬に遠慮することが多くなるので、少しかわいそうではありますが ケンカを頻繁に引き起こしてしまうよりもマシだと言えます。
多頭飼いはストレスが凄い?
犬の多頭飼いは決して良い話ばかりではなく、様々なデメリットも存在しています。
特によく触れられるのが先住犬に対してのストレスや後住犬の吠え癖と噛み癖についてです。
詳しくは下の記事で解説しているのでご覧になってみてください。↓
【犬の多頭飼い】先住犬が弱い場合は注意!後住犬が噛む、吠える対策
まとめ
ここからはまとめです。
犬の多頭飼いはメリットも多いですが、オス犬同士だと本能的に喧嘩が多くなってしまうケースも多く、
しつけ方を間違ってしまうと場合によっては事故につながるので、飼い主はより一層注意して飼っていく必要があります。
去勢をしておけば、ある程度のケンカは減らすことができるかもしれませんが、それでもどちらかの犬は、ある程度のストレスを抱えてしまうのは仕方ないことだと思います。
もし喧嘩が起きた場合はむやみに仲介せず、あえて犬の上下関係を作ってあげるように促すのも正しい判断だと言えるでしょう。
以上いぬさいとでした。