皆さんはイングリッシュブルドッグという犬種をご存知でしょうか?
「ブルドッグ」といえば、しわくちゃな顔が特徴的なあの犬種を、想像する方は多いと思いますが、イングリッシュブルドッグとの違いは何なのかについて解説していきます。
イングリッシュブルドッグとブルドッグの違い
ブルドッグと言えば、飼った経験の無い方でも、その外見をイメージすることが出来るでしょう。
肩幅の大きく張った体形と顎の大きく突き出した顔立ちは怖いとも、愛嬌があるとも言われます。
最近は「ブサカワ」なんて言われる事もありますね。
この誰もがイメージするブルドッグの正式名称は「イングリッシュブルドッグ」といいます。
この犬種が確立された歴史は古く、18世紀のイギリスまでさかのぼります。
当時のイギリスでは闘犬や闘牛に犬を用いる見世物が流行っていた為、ブルドッグも多いに注目を集めていました。
見世物として盛り上げるために犬種の特徴もより濃くなるように工夫され、今の姿にたどり着いています。
しかしその後、動物愛護の機運の高まりを受け、闘犬が禁止されると、ペットには不向きな気質やサイズから一時期は絶滅すら危ぶまれるほどに頭数が減少した時期もありました。
実はこの頃、イングリッシュブルドッグの子孫を何とか残そうと様々な取り組みが愛犬家の中で始められます。
ブルドッグの血統を受け継ぐ新たな犬種が生まれ、改良もされペットとして飼いやすく小型化も進みました。
もちろんイギリス以外の国でも飼育が増え、日本でも一躍人気になったこともあります。
新たな犬種として有名な例は「フレンチブルドッグ」でしょう。
つまり元祖のブルドッグを区別するために正式名称として「イングリッシュブルドッグ」と命名されているのです。
一般的に「ブルドッグ」といった場合はこの元祖である「イングリッシュブルドッグ」を意味することが多いと考えておきましょう。
イングリッシュブルドッグと暮らすには?
ここ数年、日本でもイングリッシュブルドッグの飼育希望が増えています。
理由は様々で、数十年前に飼ったことのある犬種ともう一度暮らしてみたいという方、イングリッシュブルドッグの愛嬌のある姿が好きという方、中には看板犬にという方もいます。
ただイングリッシュブルドッグは想像以上に飼育がむずかしい事はしっかりと理解しておかなければなりません。
イングリッシュブルドッグは背丈が低くいものの、その体重は30kgを越えることも珍しくありません。
日々の生活では階段や歩道橋、車の乗り降りなど様々な場面で家族が抱き上げてあげる必要があります。
もちろん元は闘犬種ですから、筋肉量も多く力が強いので、散歩では暴走しないようにコントロールもしなければなりません。
ただ闘犬ならではの気質は素人が簡単にしつけられるものではないので要注意です。
イングリッシュブルドッグと暮らすにはあらかじめ環境を整え、しつけや世話の相談がいつでもできる専門家の協力が必要不可欠です。
イングリッシュブルドッグにはどこで出会える?
イングリッシュブルドッグを家族に迎えたい場合、ペットショップで偶然出会えるという可能性はほぼありません。
特殊な犬種という事と出産頭数がとても少ないことが理由です。
もしイングリッシュブルドッグを家族に迎えるという決心が固まった時は、イングリッシュブルドッグの繁殖や飼育に十分な経験があるブリーダーからの直接購入をおすすめします。
専門家でもあるブリーダーであれば、飼育に関する様々な指導や相談も安心です。場合によってはしつけ指導を依頼出来る方もいます。
ただイングリッシュブルドッグは難産になることが多く、無事に誕生した子犬の販売価格は100万円前後と高額な場合も多々あります。
あらかじめ家族でしっかりと相談し、成長し成犬になってから、シニアになるまで飼い続けることが出来るかを考えておきましょう。
成犬を希望の場合は、イングリッシュブルドッグの里親になるという選択肢もあります。
特殊な犬種ゆえに中には家族に迎えたものの、早々に手離すという方もいるので、前向きに検討してもよいでしょう。
イングリッシュブルドッグを迎える前に
イングリッシュブルドッグは闘犬という種類なので、体力自慢の場面では多いに活躍するものの、内面はとてもナイーブな犬種です。
先天的な心臓、呼吸器など内臓疾患を抱えていることも多々あります。
その上、皮膚はとてもデリケートでアレルギーはもちろんのこと、湿疹や炎症、脱毛に悩まされることが子犬の時期から多くみられます。
特殊な犬種ゆえに動物病院やトリミング、ペットホテル、ドッグランといったペット関連施設やサービスの利用に制限がかかることも少なくありません。
最後に
イングリッシュブルドッグを家族に迎える前に、実際の生活をシミュレーションしてみましょう。
トリミングやペットホテルなど近隣で利用先を確保出来るでしょうか?
かかりつけ医は?
しつけを依頼出来るトレーナーはいますか?
医療費や食費は無理なく捻出できますか?
散歩や抱っこの必要なお世話に飼い主の体力は見合っていますか?
それぞれの課題を全てクリアして、本当に飼い始める事が出来るのかをよく確認してからイングリッシュブルドッグを飼う事をおすすめします。
以上、いぬさいとでした。